自己PRとキャッチフレーズ
自己PRとキャッチフレーズ
先日、TBSアナウンサーインターンが開催されました。二日間でおよそ180人の学生さんが参加。
TBSアナウンサーによる発声発音練習、4種類の原稿の読み方講習などが行われました。そこでは、全員に一人30秒の自己PRもしてもらいました。
今回、その自己PRを聞いて気づいたことがあります。
キャッチフレーズを使う理由
開口一番、キャッチフレーズからスタートする人が一定数います。
「いつも笑顔を忘れない朗らか元気娘、それが私です!」
「こんにちは!根性と繊細さのハイブリッド男、○○△△(名前)です!」
というようなもの。
しゃべり出しでこのフレーズを使う人もいれば、最後の締めに使う人もいます。
30秒という短い時間で、何とか自分のキャラクターを印象づけたい。そのためには確かにキャッチフレーズは有効な手段でしょう。30秒の残りの時間は、そのキャッチフレーズの理由を説明する、という形で話すわけです。
アナウンサー就活に成功した先輩から「こうやるといいよ」と聞いて、取り入れている人もいるのでしょう。
ただ、当然、そういう人が何人もいると、印象が「かぶり」ます。
大人数の中で自分を目立たせるためにPRをしたのに、「この人もこれか」という印象に終わってしまったらもったいないですよね。
鎧で固めている印象
自己PRは、あなたがどういう人かを、しゃべり方、顔の表情も含め表現するものです。
アナウンサーの試験ですから、大きな声で、元気よく、明るく話すのが大前提ですが、見る側としては、できるだけ普段通りの素のあなたを見せてほしいのです。
自分の好きなもの、打ち込んでいることなど、あなたについて飾らずに教えてほしい。
その意味でいうと、キャッチフレーズをバーンとかましてしまうと、何か「つくりもの」であり、「鎧を身にまとった」印象を与えがちです。普段着のあなたが隠れてしまう。
では、
普段着のあなたを隠さず、また、キャッチフレーズを使う他の人達の中に埋もれてしまわないキャッチフレーズとは…?
こねくり回したものである必要はない
まず、「初めにキャッチフレーズありき」という考え方はしない方が良いと思います。
無理に背伸びした、または本来の自分とずれたキャッチフレーズを言っても、聞く側はそれとわかるものです。
大仰なキャッチフレーズを言ってしまうと、そのことに説得力を持たせるしゃべりをするのは至難の業ですよ。
30秒なら30秒、自分の何に焦点をあててどう話すのかを考える。
その上で、そこから自然に出てきたキャッチフレーズがあれば、すんなりハマるでしょう。
キャッチフレーズを決め、内容を考える、ではなく、
内容がしっかり出来上がってから、キャッチフレーズを という順番です。
ここを間違えないように。
そして、自然に出てきたフレーズですから、奇をてらった、こねくり回したようなものである必要はありません。内面から出てきたもの、等身大のあなたを表すもの、普通の言葉を使ったもので良いのです。
先日のインターンでは、もちろんその意味で好印象のキャッチフレーズもいくつもありました。
そして、
キャッチフレーズ無しで、その人となりがググッと伝わってくる30秒もたくさんありましたよ。
今後、エントリー動画をどうするか考える際にも、参考にしてもらえればと思います。
文・TBS Voice
http://www.tbs.co.jp/anatsu/school/