自己PRを披露するときに大切なものは・・

自己PRを伝えてほしいです

夏ですね!!
各局でもセミナーが始まったりと、忙しくなってきました。
受験クラスの生徒さん達もエントリーシートを書く機会が増えてきて
自己PRに悩んでいる姿をよく目にします。

自己PRに関しては、
以前このコラムでも「具体的な文章とは?」で少し触れていますので、
よかったら読んでみてください。
今日はその自己PRを披露する時の話を、少ししたいと思います。

「不自然になっていませんか?」

数年前の話ですが、
ある学生さんに「自己PR」を1分でしてもらいました。
10人ほどいる教室で、その場で披露してもらうのではなく、
みんなの前に立って披露するよう伝えました。
その学生さんは、想定していなかった私のリクエストに対しとても驚き、
自分の自己PRの内容に自信がないことなどを言いながら、
所定された場所に向かいました。
そして、
1分間を流れるように、それは大きな声でしっかりと話しました。

その1分間を聞いた私の最初の感想は、
「不自然」
でした。

自己PRを話す前に「自信がない」と言った時は、
困った表情になったり、でも頑張ると決意した表情になったりと、
話の内容とともに一緒に表情がくるくる変わって、親しみが持てる人柄を感じる雰囲気でしたが、
1分間の自己PRを披露した時は、とても早口で、大きな声だけれども無表情で、
しかも話の間に「間」もあかないので、冷たくせわしない人の印象に映りました。

面接であの自己PRだけを聞いた場合は、
「無表情でせわしない人だな」と勘違いされて試験を終えてしまう可能性もあるかもしれません。
とても残念な話です。

自己PRを終えた感想をその学生さんに聞くと、
「内容を途中で忘れてしまい、思い出せずなかなか大変でした。」という話が返ってきました。
しかも、その話をする時は、自己PRを披露する前と同じように、
くるくると表情が変わり、人懐っこい雰囲気で話してくれました。
今、話をしてくれている時のように自己PRも話ができるといいね・・と伝えました。

「伝えてほしい」

自己PRも志望理由も、1人で決められた時間内にお話をするので緊張しますし、
一生懸命になりすぎて大切なことを忘れがちです。

「伝えるという気持ち」です。

普段、誰かに何かを話をする時に感情が出るのは、表情が変わるのは、
自分から感情を表現しよう、表情をだそう、と思うのではなく、
話の内容に集中するからこそ、自然に感情が出て、自然に表情が出てくるのだと思います。

話の内容に集中すること、これがとても大切です。

同じ「集中する」でも「内容を思い出すことに集中する」と、伝える気持ちがおろそかになりがちです。
一字一句を暗記するのではなく、「このような話を伝えよう」という気持ちで、
ぜひ自然に自己PRを披露してもらいたいです。

大切なのは、いかに自分の自己PRを完璧にスムースに話しきるかではなく、
いかに目の前の相手にわかりやすく伝えるか・・・です。

文・TBS Voice
http://www.tbs.co.jp/anatsu/school/