キー・準キー局のアナウンサー・インターンシップとは

インターンを制する者は、アナウンサー試験を制す

アナウンサーになりたい、そう思って就職活動を始めると、まず「インターン・セミナー」を受講できるかがポイントになってきます。キー局を中心に、それぞれ独自のネーミングで募集しているインターンシップ・セミナーは、局の規模が大きくなれば大きくなるほど重要で、近年では、キー局を真似て本採用に直結するようプログラムを考え、実施している地方局も増えてきました。(実際に、私が在籍していた某地方局でも、ここ数年でインターンのウェイトはどんどん大きくなり、良かった子には後日個別で連絡し、本採用も“必ず”提出するよう声をかけています…)

もちろん、本採用とは公に言えないので、アナウンサー受験仲間のなかでは“0次審査”という認識で臨んでいましたが、終わってみれば、0次どころか完全な本採用だったなというのが率直な感想です。キー局→準キー局→地方局の順にその色は薄くなりますが…

内容は、本採用とほぼ変わりません。所謂、アナウンサー試験、原稿を読んだり、リポート、実況、フリートークをしたりです。経験上、本採用と決定的に違うところと言えば、雰囲気と時間でしょうか。インターン・セミナーの時は、なぜか、和やかな、まだ本採用じゃないよ、というような空気がありますが、それはカモフラージュです。ほとんどの局が、記録用にカメラを回し、その会場にいる採用担当者以外も後日チェックしています。談笑や質疑応答、昼食会の中にも、選考の目は向けられています。常に、誰かが、どこかで見ている、と言っても過言ではありません。数分で終わる本採用の面接と比べると半日~1日と時間が長い分、ある意味じっくり選考できます。そして、それをもとに、キー局を中心に、上級セミナー(※)へと続いていきます。

※上級セミナー・・インターンシップを受けて、選抜された人を対象に行われるセミナー

早め早めの準備がカギに

総合職(一般職)やテレビ局以外の採用と比べると、アナウンサーのインターンやセミナーはやや早めにやってきます。そして、提出する書類も手間と時間がかかります。それなのにチャンスと枠は少なく、落ちてしまったら参加することができません。

動画も必要な局が増えてきているなかで、1日ではなかなか終わらず、時間がなくなり結局満足のいくものを提出できなかった…という話を聞きますが、これは非常にもったいないです。なぜなら、前述してあるとおり、キー局および準キー局のインターン・セミナーは本採用以上に“本採用”だからです。アナウンサーになれるかどうかのものさしです。

本気でアナウンサーになりたいならば、ここに照準を合わせて準備していくべきです。もちろん、インターンやセミナーに参加できなくてもアナウンサーになった人はいますが、せめて1局でも通ることができれば、自信になり、モチベーションも上がります。

アナウンサー試験は情報戦

インターン・セミナーに参加することのもう一つの利点は、アナウンサーを志す人と知り合うことができる、という点です。スクールやアナウンス系のサークルに所属している場合すでに友人がいるという人も多いですが、全国から集まるインターン・セミナーでは、常にそれ以上に情報や噂が飛び交います。

普段あまり知ることができない地方局の情報やイメージなどを聞いておくことは、のちにとても重要です。上級セミナーに進めば人数も少なくなるので、自然と連絡先を交換したり、顔見知りになったりします。その後の面接、筆記試験などにおいて、情報があるとないでは大きく変わってきます。インターン・セミナーに参加し、些細なことでも“情報”をゲットした時点で一歩リードしているということです。

本腰を入れる前に始まる印象があるアナウンサーインターンシップ・セミナーですが、ここで波に乗れれば自ずと結果はついてきます。来たる長いアナウンサー試験のなかで、初めの一歩は大切です。一つの通過連絡や一人のライバルが、頑張る糧になるかもしれません。油断せず、本気で挑みましょう。

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この記事を書いた人
まつり
甲信越の局でアナウンサーとして働いていたスポーツ女子アナ。
うどんをこよなく愛する麺好き女子。本気でアナウンサーになりたい皆さんを応援します!