局アナ試験前にやっておきたいこと~加藤暁アナ

 


interview02_photo02加藤暁(かとう・ぎょう) 元KBC九州朝日放送(福岡県)アナウンサー。
局アナ時代は、おもにダイエーホークス(現ソフトバンク)やアビスパ福岡などの実況アナウンサーとして活躍。フリーとして活動する現在もTBSニュースバード、フジテレビTWO、WOWOW、NACK5、JSPORTS、FOXスポーツなどで年間200試合以上、プロ野球・MLB・国内、海外サッカー・NBA・アルペンスキーなどを実況。


私の就職活動

私が九州朝日放送から内定をいただいたのは、就職活動スタートから4ヶ月、面接を受けた会社の数で18社目のことでした。

スポーツ実況アナを目指していた私は、プロ野球のある都道府県の局には最低限入りたいと思いながら就活をしていたのですが、当時は北海道と仙台にはまだプロ球団がなく、東京・大阪の試験が終わると名古屋、広島、福岡以外に選択肢はありませんでした。

名古屋、広島の局は募集が少なかったこともありあっという間に試験が終わり、残るは福岡だけ。もちろんその後も受けるつもりでしたが、自分の中ではラストチャンスという気持ちで臨んでいたのを思い出します。しかし焦りがあったのはその時だけで、実は就活で苦しんだ経験はほとんどありませんでした。いつかはアナウンサーになれるだろうなと。

就活で悩まず進めた要因は・・

過去にないくらい楽観的な気持ちで過ごせたのは、全ては2社目に受けた日本テレビのおかげです。書類通過後の1次面接をパスするとすでに男女合計20人くらいに絞られており、いわゆる「セミナー」に参加することができました。

これに参加できたことが、その後の就活には大きなアドバンテージになりました。同時に今までやってきたことが間違いでないと思えたことも大きかったです。たとえ試験に落ちても自信を失わずに前向きに就活を送れたのは、そういった気持ちの部分があったからです。

就活開始時期と準備

サークル(早大アナウンス研究会)の幹部を引退した大学3年の11月頃、私はサークルの先輩から代々引き継いだ「マスコミ就職読本」で、過去のアナウンサー試験の開始時期や試験内容をまず研究しました。

そしてほぼ予想通り、アナ試験の幕開けは大学3年3月にやってきました。唯一想定外は、この年のアナ試験の幕開けがキー局ではなく大阪の朝日放送だったこと・・・

ただ予想を立てていたおかげで、11月から春休み前まで、十分に就職活動の準備をすることができました。試験対策としてやったことは、大きく分けて二つです。

「自己分析」「時事ネタに強くなる」

この他にも苦手な作文対策で、4回ほど「作文講座」を受講したりもしましたが、基本はこの二つです。

受験勉強よりがんばったかも

今思えば、自己分析に1か月くらい徹底して取り組んだことが、就活をスムーズに進められた一番の要因だと思います。なんといってもES通過率100%でしたから!

自分の長所短所を分析したうえで、それにまつわるエピソードを洗い出し、自己PRをつくる。就活生の誰もがする作業ですが、切羽詰っていない分、より客観的に分析ができました。エピソードを選ぶときに注意したのは「自分の中では当たり前のことでも他人から見ればそうではない」という点です。もしかしたら「人にはまねできないことをしているかも」と常に客観的に見てエピソードを拾い上げました。

「人にはまねできない」と言うと、すごいことをしないといけないように聞こえますが、そうではなくみんながやっているようなことでも「このアプローチは自分にしかできない」ということを見つけ出せばいいのです。そこにこそ自分らしさが凝縮されているはずです。

スクラップは時事だけでなく放送業界の情報も
スクラップは時事だけでなく 放送業界の情報も

「時事ネタ」は、アナウンサーはやはり広く浅くいろんなことを知っておかないとという観点から受験勉強並みに取り組みました。新聞を読むのは当然として、重要なニュースの時は何紙かを読み比べてみたり、わからない言葉は調べて自分の言葉で言えるようにしたり、夜のテレビニュースは録画しながらもメモ片手に見ていました。

またニュースで取り上げられた現場、歴史的な場所などを冬休みを利用して訪れたり、話題の映画や音楽、演劇なども積極的に見に行って、その感想などを語れるようにしておきました。

実際にそれらすべてがアナウンサー試験に役立ったかと言われればそうではないのですが、最終的に決まった九州朝日放送のカメラテストでそれが大いに役立つのですから無駄なんてことはひとつもありません。

アナウンサーの仕事の中身を知る必要性

私はアナウンス研究会で3年生までみっちりとアナウンスの基礎技術を磨いてきました(もちろんプロになるとその未熟さを思い知るわけですが)。アナウンススクールなんて同じことやっているのだからお金の無駄と思い通いませんでした。

わずか3ヶ月くらいでアナウンス技術なんて身に付きません。鼻濁音、無声化、外郎売り。そんな基礎用語を覚えて実践するだけで精一杯です。むしろ一番変な癖がついてしまうのが始めて1年くらいな気もします。
それよりもっと試験に役立ったと感じるのは「アナウンサーの仕事の中身を具体的にイメージできていた」という所です。それこそアナウンサーを早くから目指していたからこそ得られたものです。

534993_248640501948421_341590939_nアナウンサー目線でアナウンサーの仕事を見ることができる。なぜこのアナウンサーは今、こういう風に表現したのだろうか、なぜ画面に見えていないものをしゃべったのだろうか。この一言のためにどんなことを事前に調べたのだろうか。

これは3ヶ月もしっかりと見ていれば、だんだんと感じ取れるようになってきます。それはすなわち、あなたがアナウンサーの目線で仕事を見られるようになったということです。

そうやってアナウンサーの仕事を理解していけば、おのずとアナウンサーに必要なことがわかってくる、そしてどう準備したらいいかもわかってくるはずです。アナウンサー試験なんて要はアナウンサーの「適性」があるかどうかの試験なんですから。


この投稿へのコメント

コメントはありません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。

トラックバック URL