局アナ試験前にやっておきたいこと~小笠原聖アナ


 



tea2小笠原聖(おがさわら・せい)元秋田朝日放送アナウンサー

東京都出身。大学卒業後秋田朝日放送に入社。アナウンサーとしてニュースや高校野球を担当する傍ら、報道記者として事件・事故を中心に活動。退社後はフリーとなり東京・千葉・埼玉・栃木でテレビの情報番組のキャスターやスポーツ実況、趣味の落語鑑賞を活かした落語番組などを担当。現在はNACK5のパーソナリティーなど多方面で活躍中。


アナウンススクールは「本番に近い経験」で選んだ

私は地方の大学に通っていたので、アナウンサー受験を始めるにあたってハンデが大きいという思いはありました。中でもアナウンススクールについては、大学の近くに該当する学校が無かったので、大学の休みの度に実家のある東京のスクールで短期講習を受けました。

同じよう短期講習は高校時代にも経験していたので、アナウンスに関する基礎の授業や発声練習、またどのような教材を使うのかといった事は経験済みだったと言えます。

そのため、大学3年時のスクール選びでは、資料請求や体験授業をしながら「本番の試験に近い経験が出来る」スクールを探しました。例えば同じニュース読みの実習でも、放送局や通信社の原稿を使っている学校の方が、読みの勉強の他に実際の原稿の作り方に触れる事が出来ます。

また「ニュース」「スポーツ実況」などの授業の際、実際に教室でカメラを回して、面接や放送の本番に近い緊張感が味わえる学校で授業を受ければ、本番の試験の時の対策にもなります。授業を担当する先生については、現役で仕事をしている先生、あるいはそれに近い先生の授業がある学校を選んでいたように思います。そうする事で、私の読みを聞いて指導して頂くアドバイスが、より面接官の印象に近いと考えたからです。

スクール選びは規模でなく自分との相性

これからアナウンススクールを選ぶ皆さんには、「アナウンススクール研究」をオススメします。今までアナウンス経験が全く無く、基礎から学びたいという人であれば、大手アナウンススクールの基礎コースのようなところで発声、発音から学ぶ事も1つの方法でしょう。逆に小規模でも、その生徒のタイプを見極めながら丁寧に教えてくれるスクールもあります。特に基礎の勉強を経験した人に合っているとも言えますが、その分、授業の内容や講師の実績(講師の専門分野が自分の目指すアナウンサー像と繋がっているか)などを事前によく調べておく事が大切です。マスコミに進んだ先輩が身近にいるのであれば、経験談を聞いてみる事も良いでしょう。

o0717048012804266493今振り返ってみると、アナウンススクールの思い出として蘇ってくる場面は、授業以外の時間の事も多くあります。授業の後に先生と生徒数人でご飯を食べに行った際、「お前が本当にアナウンサーになりたい理由は、まだ他にあるんじゃないのか?」と急に指摘され、そこから1人のための面接のようなディスカッションが始まりました。思いつくままに喋って行くうち「それを、そのまま面接で話せばいいんだよ!」と言われ、それから面接を通過する率が格段に上がった、なんて事もあります。きっとその先生は、当時の私を総合的に分析して、一番足りないものは何なのかを考えて下さっていたのだと思います。

自分なりの経験、じぶんだからこその話題

一方、本格的な受験活動が始まるまでに心がけていたのは、「自分ならではの話題を多く作ること。」アナウンサーとして自分より実力の優れた人はたくさんいる。それなら、他の人が出来ない事を多く体験し、それを面接で魅力的に話せるようになれば、足りない部分を補う武器になるのではないか・・・そんな思いがありました。

「好きな番組、好きなアナウンサー」を探して旅をする。

私の場合は、3年になるまでに学校のサークルをはじめとした学校生活での経験を話す上での構成は固まっていたので、あとは「放送業界が好き。この業界で働きたい」という気持ちを表せるエピソードを作りたいと思ったのです。

こう書くと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、やり方は至って単純です。「自分が知らない番組をたくさん見聞きして、好きな番組、好きなアナウンサーのレパートリーを増やそう。」私は元々旅をする事が好きだったので、出来るだけ全国を回って、その地域の情報番組をチェックするようにしました。

好きなアナウンサーや番組を1つでも多く作る

ラジオパーソナリティ―22人のカリスマ 単行本 – 1998/5 軍司 貞則 (著)
当時読んでいたうちの一冊/ラジオパーソナリティ―22人のカリスマ 軍司 貞則 (著)

テレビで言えば、夕方の5時台に番組を放送する局が多いので、早めにホテルに着いたら、あとは楽しくテレビを見る!このようにわざわざ全国各地に足を運ぶのはもちろん大変です。それに、地方局の受験で現地に行くんだから、試験の前日に現地に泊まって番組をチェック出来れば良いんじゃないの?という方もいるでしょう。でも私の場合は、試験の直前になって「何か試験に役立てなきゃ」という緊張感の中で見るより、旅のついでに気軽な気持ちで番組に触れた事で、より自然に番組の良さや放送局の雰囲気を知る事が出来たので良かったと思います。

また遠出をしない時は、アナウンサーの先輩のエッセイやルポルタージュなどを読んで、その本について語れるようにしていきました。好きなアナウンサーや番組を1つでも多く作ること。それが出来れば、語った時の「本気度」が変わってきて、それが面接官にも伝わると私は思います。

受験が本格的に始まる前の今だからこそ出来る事、ぜひ探してみてください。