アナウンサー試験は早めの就活準備を

他業種より圧倒的に早い開始時期

20年前くらいからどんどんアナウンサー試験のスタート時期は早まっています。

1994年入社 大学3年3月~
2000年入社 大学3年1月~
2007年入社 大学3年9月~
2012年入社 大学3年8月~
2017年入社 大学3年8月~

こう見るとここ数年はだいたい大学3年夏頃がスタートと言っていいでしょう。つまりそれに向けて、対策をしていく必要があります。

ただスタートと言っても、これは本採用試験ではなく、いわゆる「青田買い」とも言われる「セミナー」の開始時期を指しています。

アナウンサー試験では本番の採用試験の前に、「セミナー」と呼ばれる講習会を設ける放送局が多くあります。(最近はインターンシップとして開催する局も)

セミナーは、書類選考や面接もあり、人数を絞った中で、原稿読みやフリートーク、カメラ実習を行います。これ自体では(名目上は)採用は決まりませんが、見込みのありそうな人には確実にチェックが入り、上級のセミナーも用意されています。

そういったセミナーを実施したうえで、1~3か月後くらいに本採用試験の要項を発表していきます。大学3年の夏~秋にセミナー、冬に本試験という流れが、最も早いアナウンサー試験のスケジュールと言えます。

大都市から順に地方へ

大学3年の夏のセミナーを皮切りに、秋から冬にかけ本採用試験がキー局(東京)や準キー局(大阪)で行われ、福岡、札幌、仙台、広島など大都市から順に地方へ拡大していきます。そして大学4年の11月~1月にかけてNHK契約キャスター・リポーター(※1)の募集があり、大学4年の1,2月頃に民放地方局の最後の募集が何社かあります。

キー局、準キー局を受験し講習会に残った人は、その後もローカル局を受け続ければ、まずどこかの局から内定をもらうことができるでしょう(数字に表すなら85%ぐらい)。また局によっては、系列キー局の講習会に残った人に直接連絡をして自局の試験を受けるよう促す場合もあります。

(※1)NHK契約キャスター・リポーターとは

今と昔の「セミナー(講習会)」の違い

本採用試験の前にセミナーを行う採用の流れは、2000年に入ってからだと思いますが、それ以前は本採用試験の中で、1,2次試験を通過すると10~30人程度でセミナーを行っていました。

今のセミナーも本採用にはかなりの確率で密接につながっていますが、昔のセミナーは完全に本採用試験の一部でした。ですからセミナーに残る人もかなり厳選された中の10~30人でしたので、その中のほとんどは受け続けていれば必ずどこかの局のアナウンサーには採用されていました。

現在のセミナーは、書類選考(2015年からは動画も)だけで一気に絞り込み、といっても50名~100名近くの通過者と多めで(数日間行う局もあるのでそれ以上ともいえる)、また書類を出す人も時期的に本採用試験の時ほどではないため、多少ですが倍率は低くなります。

そういった事情を踏まえると、書類を通過すること自体、狭き門ではありますが、本採用試験の前に行われるセミナーで目に留まるところまで行って初めてアナウンサー試験を一歩リードしたと言えるかもしれません。

就活の準備はいつから何をすべき?

2015年のセミナー(2017採用)は、日本テレビが7月初めに要項を発表。エントリーシートの締め切りが8月3日でした。テレビ朝日は8月初めに発表、締切が8月21日、フジテレビは8月初めに発表、締切が9月1日でした。

キー局アナウンスセミナー、採用試験データ(PDF)

まとめると夏休み前か直後に発表、そこから1か月くらいでエントリーシートの締め切りがやってくるということになります。ここ数年は、だいたいこの日程が基本です。つまりこれを踏まえて「就活準備」をやっていくことになります。

エントリーシートでどのような写真を貼るのか、自己PRで書く内容は?動画はどんなふうに撮影しようか。セミナーに残ったときに行うフリートークの練習などなど。セミナーの要項が発表される時期がある程度予想されているのですから、そこまでにいかにシミュレーションをして納得のいくものを用意し、気持ちの余裕をもってエントリーシートの提出期限やセミナー当日を迎えられるようにすることが大切です。

「就活準備」と「アナウンサーになるための準備」は違う

「就活準備」はしておいて無駄はないと思います。一方で「就活準備」が適当でもアナウンサーになる人はいます。それがアナウンサーという職業に就くことの難しさです。

必ずこれをやっておけばアナウンサーになれるというメソッドは存在しません。アナウンススクールなんて行かなくても、実際にたくさんの人がアナウンサーになっています。

「人間的な魅力」がそういう人にはあったと言ってしまえばそれまでですが、「アナウンサー的な素養を持った人」と説明したした方が適切かもしれません。そう考えるとアナウンサーになるためにやっておいた方がいいことが色々と浮かんできます。

アナウンサーに必要なものと聞かれて、みなさんはどんなキーワードが思い浮かびますか。

「人を楽しませる」「場を和ませる」「言葉に気を遣う」「機転がきく」「発想力がある」 「正確に伝える」「状況をしっかりと説明できる」「信頼感」「清潔感」「好感度」「明瞭な口調」などなど

こういった自分が想像するアナウンサー像をイメージして、それに近づくためにはどんな準備をしたらいいか、それを考えて実行するのです。それは人それぞれ違うからこそアナウンサーになるための準備は一つではないのです。

<コラム>2013年入社試験から様相が変わった!

2011年8月1日、フジテレビの2013採用の詳細が出ました。エントリー開始は2012年3月以降とするものでした。
7月の時点で、日本経済新聞が報じていたように採用開始を半年遅らせたのです。

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フジテレビ、採用開始半年遅らす 大学3年3月以降に
(2011/7/11日本経済新聞)

フジテレビジョンは2013年春入社の採用から、全職種で履歴書のインターネット登録などの選考を大学3年の3月以降に改める方針を固めた。アナウンサーなどの採用活動は今まで大学3年の夏ごろから実施していたが、半年以上遅らせることになる。

経団連は会社説明会やネット登録などの広報活動の開始時期について、大学3年の12月から始める方針を決定済み。 フジテレビは採用活動の開始時期をさらに遅らせることで、学業への影響を抑える。

民放キー局のアナウンサーの選考はこれまで全業種の中で最も早く、企業が採用活動を早める一因とされていた。 同社はネット登録を大学3年の3月からに統一する。採用を決める面接・筆記試験は、アナウンサー職では大学4年の4月中旬から、 一般職、技術職などほかの4職種は5月上旬からに改める。同社が大学4年時に採用活動を実施するのは15年ぶり。

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会社説明会など企業の採用に向けた広報はこれまで、大学3年の10月から始まっていました。しかし、2011年から経済界の申しあわせで「大学3年の12月以降」とする倫理憲章がスタートしました。すなわち2013年春卒の大学生の就職戦線の幕開けはこれまでより2カ月遅くなり大学3年の12月からとなったのです。

アナウンサー試験の場合は、それでも一般企業の試験より通常は早く実施されるものですが、フジテレビはこれに基本ならった形になりました。その後、日本テレビやテレビ朝日もほぼ同様の日程での採用開始時期を2011年秋に発表しました。

日本テレビ→2012年2月頃(採用エントリー開始時期)
テレビ朝日→2012年2月~3月(選考実施時期)

ところが民放キー局で唯一足並みをそろえなかったのはTBSでした。ここ数年と同様、9/1~9/30がエントリー期間で、10月からは本採用試験も行いました。8月に、採用とは基本無関係の「アナウンスセミナー」は、各キー局とも実施していましたが、採用試験を秋に行ったのはTBSだけでした。

民放キー局が年明けの春に採用試験を実施する旨を発表しているので、基本的にはそれを目指して準備をしていけばいいと思いますが、準キー局や地方局が今後どのような時期に採用試験を実施するかは2011年秋の段階では不透明です。しかし基本的には規模の大きい放送局から採用試験が行われていく流れは変わらないでしょう。

〈新卒学生の採用ルール〉 経団連の倫理憲章では面接などの選考(採用試験)の時期を「卒業・修了学年の4月1日以降」とし、採用の正式内定は10月1日以降としている。会社説明会などの広報の時期のルールは従来はなく、多くの企業は大学3年の10月から本格化させていたが、3月の憲章改定で初めて12月1日以降と明記された。憲章には強制力がないが、経団連には国内主要企業の多くが加わっているため、結果的に就活戦線全体を左右する影響力がある。ただ、経団連に未加入の一部企業はすでに広報を始めている。