アナウンサーの仕事

アナウンサーというと、まっ先に「ニュースを読んでいる姿」を思い浮かべる方も多いでしょう。他にも、バラエティー番組の司会をしたり、ナレーションやスポーツの実況をするのもアナウンサーの重要な仕事です。そのため、仕事の内容によってアナウンサーに求められるスキルは大きく変わります。

たとえばニュース番組。ニュースを正しくわかりやすく伝えることが大切な役割です。ニュースを理解し整理して伝えるためには、国際情勢や経済情勢など、幅広い知識を身につけておく必要があります。また、人名や地名の読みまちがいがないようにチェックすることも大切な仕事です。

スポーツ実況では、目の前で繰り広げられる試合の様子を正確に視聴者に伝えなければいけません。そのうえで試合の見所やポイントを逃さず伝えます。そのためにはそのスポーツを十分勉強し、理解しておく必要があります。

司会では、ゲストの話を聞き出し、話題を整理し、番組進行にも気を配らなければいけません。その場の雰囲気をうまく保つため、時に自分が前に出て、時に自分は引いてなど”室温調節”も重要な役目です。

めざせアナウンサー

アナウンサーへの道

アナウンサーになる夢を抱く時期は人それぞれ。小学生からの夢という人もいれば、就職を考え始めたときになろうと思った人も。特に小さい頃からの「夢」という人は、高校で放送部などを経験しているかもしれません。しかしプロ野球選手のほとんど全てが高校野球を経験しているのと違い、アナウンサーは高校でやっていようがやってなかろうが等しくなれるチャンスはあります。むしろ高校で経験している人のほうが少ない印象です。

NHK杯全国高等学校放送コンテストというアナウンス版甲子園のようなものがありますが、歴代上位入賞者(※高校時代に全国大会で入賞したアナウンサー出典:フリー百科事典 Wikipedia)を見ても、毎年のように局アナを輩出しているわけではありません。高校でのコンテストと実際のアナウンサー試験では求められるもの(審査基準)がだいぶ異なるからです。

もちろん早くからこの世界を経験したり、人前で話すチャンスを得たりするのは大きなアドバンテージです。しかし幅広い分野においての知識や興味が問われるアナウンサーという職業においては、放送のことに一生懸命取り組みすぎるのも将来的には不利に働くかもしれません。むしろ色々なことに興味を持って意欲的に取り組める年代だからこそ、様々なことにチャレンジして知識や経験の幅を広げておきたいものです。

局アナを目指すための分岐点

まず四年制大学卒業というのは局アナの大きな条件です。短大卒も可という局はまずありません。しかし短大から四大に編入してアナウンサーになった人は、キー局にも地方局にもいます。

またよくある質問ですが、有名大学でないといけないことはありません。基本はあなた個人に資質があるかどうかです。しかし確率論でいっても有名大学のほうがそういった資質のある人が多いとはいえるでしょう。しかも周囲の人々に触発され、より自分を高めることにもつながります。

局アナを目指す分岐点

アナウンサーの多い大学

できれば都市部の大学の方が・・

学部は気にしなくていい。

有名大の必要はないけれど・・

男性アナウンサーの出身校を見ると、早稲田、慶応、法政、明治。関西なら関西学院、立命館が多いでしょうか。女性では早稲田、慶応、法政、上智、法政、青学、フェリス、成城、聖心。関西では同志社や神戸女学院などの出身者をよく見かけます。

確かに早稲田・慶応などは多いですが、それはあくまで志望する人も多く、資質のある人も多いからそうみえるだけだと思います。最近は「○○大学から、ん十年ぶりに出たアナウンサー」などもいますし、かなり幅広くはなってきています。しかしできるだけ東京・大阪の大学を目指したほうがいいでしょう。地方大学だと何かとハンデがあるという印象です。

全国から学生が集まる大都市の大学は、今まで自分のいた世界の狭さを実感させてくれます。周囲に高い志を持っている人が多いかどうかは重要な要素です。さらに就職試験の観点から見ても、地方だとアナウンススクールなどない地域もありますし、情報・文化・ファッション・流行など、最先端を肌で感じているかどうかは大きな差につながります。

学部は関係ない

学部はまったく関係ありません。確かに理系出身者は多くはないですが(それでも増えてきている印象です)、必ず文系でないとダメということはありませんし、逆に専門性の高い学部であればあるほど面接の段階では他の人と差別化は図れると思います。

ただ面接ではほぼ間違いなく「なぜ薬学部からアナウンサーになろうと思ったの?」などと聞かれると思います。このときに「昔から両方に興味がありました」という答え方だけでは説得力は出ません。健康関連の番組でより深いコメントができるとか、流行の病気について知識が生かせるのではなど、今のアナウンサーで物足りない部分を「私ならこうやれる」と思ってなりたいと思いましたというように、常にアナウンサーとしてどう生かせるかという意識で学生生活を送っておく必要があります。

大事なのは「どの学部を卒業したか」よりも「その学部で何を勉強して何を得たか」です。自分の知識がアナウンサーとしてどう生かせるかが重要で学部は関係ありません。