子ども向けに書かれているからこそ分かりやすい!初心者にも最適。アナウンサーの教科書。
子ども向けに書かれているからこそ分かりやすい!初心者にも最適の一冊。アナウンサーの教科書。
「こどもアナウンスブック 正しい発声とつたえる力 CD付」
著書:常世晶子・茂木亜希子
出版社:子どもの未来社
著者は、SASUKEリポーターなど数々の番組で活躍中、インタビュアーとしても経験豊富な常世晶子アナウンサーと、元NHK長野放送局キャスターで、絵本作家や保育団体の代表としても活躍の場を拡げている茂木亜希子アナウンサー。二人とも、子どもを育てるママアナウンサーでもあります。
芸能プロダクションでタレントを育ててきた常世アナウンサーと、子ども向けの活動を行ってきた茂木アナウンサー。 そんな二人が子どもたちに学校等で発声を教える活動を始めたのは、約4年前です。地道な活動が実り、2017年5月5日には、子どもたちに発声や話し方を教える有償ボランティア団体「こどもアナウンス発声協会」を立ち上げました。2019年1月現在、約100名が会員として登録しています。会員は、局出身のアナウンサーが9割以上、その他は声優やナレーター等、全員がプロの話し手です。
こどもアナウンス発声協会ホームページ
http://www.genkinakoe.org
会員のアナウンサーたちが子どもたちに発声を教えに行くのに使っているテキストが、上記の「こどもアナウンスブック 正しい発声とつたえる力 CD付」。つまりは、アナウンサーのための教科書ともいえる本なのです。
テキストを開くと、とてもカラフルで可愛いイラストが満載。練習に使う文章は、全て平仮名で書かれています。
この平仮名こそが、発声初心者に適した文章。
例えば、「桜」と「さくら」、どちらの表記の方が一文字一文字丁寧に読めるでしょうか?「さくら」(平仮名)の文字は、母音まで美しく出しやすいです。また、イメージを助けるイラストがついているので、イラストを見ながら想像を膨らませて表現しやすい仕組みになっています。
また、本書にはページごとに「指導者向けの注意点」が書かれています。子どもの目線で学んだあとは、大人向けに書かれたポイントを読むと、より理解が深まります。
後半には、「もっとチャレンジ上級編」と題して、母音、強調、区切り方、原稿読みなど、アナウンサー受験に必須のポイントがまとめてあります。現役アナウンサーのテクニックを、簡単に練習しながら習得できそうです。
余談ではありますが、このテキスト(旧版)を使って新人アナウンサーにアナウンス指導をしているテレビ局があるとのこと。新人アナウンサーがめきめき上達したそうですよ!
伸び悩んだときに手に取ってみると良いでしょう。付属のCDには、テキストの文章に合わせたピアノ伴奏曲がついているので、イメージを膨らませながら無理なく楽しく練習できます。
巻末には、母音の無声化や鼻濁音についても分かりやすくまとめてあります。
至れり尽くせりの新テキスト「こどもアナウンスブック 正しい発声とつたえる力 CD付」は、子どもたちだけではなく、アナウンサー受験の学生にとっても必読書となりそうです。