アナウンサーはキー局だけじゃない

「好きなアナウンサーランキング」が新聞・ネット上で発表されるなど、アナウンサーがタレントのように脚光を浴びて久しいですが、ランキングに顔を出すような有名なアナウンサー以外にも、数多くのアナウンサーがキー局(東京の放送局)には在籍しています。

またキー局の番組をネットして放送する地方局にも数多くのアナウンサーがいて、各地域のニュースや情報を伝えたり、独自に制作するバラエティ番組を担当したりしています。どうしてもキー局のアナウンサーの方が、全国的に露出が高いため有名になりやすいですが、地方でもキー局で担当するのと似たような仕事をするアナウンサーは大勢います。

地方局のアナウンサー 「アナウンサー」の仕事だけではない局も

一般的には規模が小さい局ほど、記者業務を兼ねるアナウンサーが多いのが実情です。さらに記者だけではなく編集もする、テロップも発注する、カメラもまわす、そういった局も多くあります。局によってもちろん違いますが、規模の小さい局では、記者や編集の仕事「7」に対し、アナウンサーの仕事は「3」ぐらいと考えておけば、入社したあと「こんなはずじゃなかったのに・・・」と思うことも少ないでしょう。

一方で、名古屋や福岡、札幌、広島、仙台などでは、ほぼアナウンサーの仕事が中心です。これらの地域では、仕事内容もキー局とほとんど変わらないか、より多岐にわたる仕事に関わることができます。とくにラジオ・テレビ兼営局だとかなり活躍の場が広がります。

地元では超有名人

自分の番組を任されるようになると、規模の小さい局でも、記者業務はだいたい外れて番組に専念できます。そして大きな番組を任されると、地元では街を歩いていて誰もが気づくような存在になれます。プライベートがなくなるので、デートなどは隣県に行って・・・なんて話もよく聞きます。

地方局を受けていると自社制作比率という言葉をよく聞きます。北海道のSTV札幌テレビ放送、福岡のKBC九州朝日放送などは昔から自社で番組コンテンツを制作する比率が全国的にも上位に位置します。こういった局では、アナウンサーの活躍の場がより多くなります。キー局ではタレントを起用するような番組でも、アナウンサーがタレント的な仕事をこなすこともよくあります。

また「入り中」と呼ばれる 全国ネットの中継も、硬軟合わせ担当することもあり、そのときばかりはどのアナウンサーもテンションは相当高まります。

スキルアップは

キー局や準キー局との一番の違いは、1年目から色々な仕事を任されることです。人が少ない事情もありますが、経験値を高めるという意味では最高の環境です。ただ規模の小さな局では、先輩が少なかったり、忙しかったりして、教えてもらう環境が整っていないため、アナウンス技術の向上は自分次第といえます。

一方、先にあげた政令指定都市クラスの局では、先輩アナのレベルも高く、局内の研修もしっかりしているのに加え、キー局のアナウンサーと共同で仕事をすることも少なからずあるため高いレベルの放送の舞台で常に技術を高められます。


フリーアナウンサーという選択

フリーアナウンサーといえば 古くは押阪忍さんから徳光和夫さん、福留功男さん、古館伊知郎さんなど、最近ならば宮根誠司さん、夏目三久さん、羽鳥慎一さん、加藤綾子さんなどが思い浮かびます。しかしここであげた皆さんは元々所属した局で全国的な活躍をしてからフリーアナウンサーになった方ばかりで、どちらかというとタレントといったほうがしっくりくるかもしれません。この項でお話しするフリーアナとは、誰もが知る有名人になってからフリーランスとなった人は除いてのお話しです。

アナウンサー試験基礎知識

一般的にフリーアナウンサーは2つに分けられます。

・事務所(プロダクション)に所属している人
・個人で仕事を行っている人

フリーアナは厳しい世界

個人で活動しているケースは、それまでの人脈など本人の経歴で結果的にそうなった場合が多いです。事務所に所属するのとしないのとでの大きな差は、マネジメントをしてもらえるかどうかです。事務所にはたくさんのオーディション情報が入ってきます。一方、個人の場合、自ら営業をしなければ仕事は入ってきません。また、事務所に所属していると斡旋料として2割~3割程度のマージンを取られますが、個人で行っている場合は、取引先が支払った報酬(源泉徴収はされます)がそのまま自分の手元に入ります。

事務所に所属するためには事務所のオーディションを受けないといけません。局アナなどの経験者のほうがやはり有利ですが、未経験者でも実力があれば問題はありません。しかし局アナ試験に落ちたのでフリーとしてやっていきたいという簡単な気持ちで入れるほど甘い世界ではありません。局アナ試験である程度惜しいところまでいった人くらいでないとなかなか受からないでしょう。

晴れて事務所に所属できてもすぐに自分のしたい仕事ができるわけではありません。個人差はありますが、初めは起業VPのナレーションやイベントの司会などで実績を積み、徐々に電波にのる仕事などもできるようになっていきます。大きい事務所になればなるほど、まずはオーディションを受けるための事務所内の選考があり、次にオーディション会場で他の事務所の人と競争をし、これに勝ってようやく仕事を手に入れることができます。番組改編のたびにこういったことが行われるので、精神的にはタフでないとやっていけません。

実際の仕事に関してもそうです。局アナならば新人の頃は大目に見てくれますが、フリーアナウンサーは最初から結果が求められます。結果を出せなければ代わりはどこにでもいるのです。もちろんベテランになっても実力の世界ですから、常に努力をしていないとステップアップしていきません。フリーとして長く続けるなら、何か得意分野を見つけること、さらにその能力を周囲にしっかりとプレゼンテーションできるかが重要です。

増えている!社会人からアナウンサーに

局アナは企業の採用試験を受けなければいけないため、四大卒が条件のところがほとんどですが、フリーアナウンサーは短大卒でも高卒でも活躍できる世界です。一般企業からフリーアナへ転身する人も最近はよく見かけます。

フリーアナウンサーの経歴を見ると、学生の頃からタレントやモデルなどの仕事をしていて、その流れで事務所(プロダクション)に入った人、局アナの採用試験に落ちて事務所のオーディションを受け合格した人、局アナ経験者、社会人からアナウンススクールなどに通いその後認められて事務所所属となった人などがいます。

どの場合もスクールや現場でしゃべりの経験を積んだ人がほとんどです。まずは実力をつけないと門はたたけません。

新卒採用が減っているからなのか、自分のやりたいことに気づく年齢が遅くなっているせいなのか、社会人(一般企業)を経てアナウンサーを目指す人が増えています。学生からの夢をあきらめきれないという人もいますが、一般企業で仕事をしている中でしゃべる仕事をしてみたいと感じるようになってアナウンサーを目指す人も少なくありません。

しかし新卒と同じような試験を受けて局アナになる人は稀で、フリーアナウンサーとして事務所に属するか、NHKの各地域の放送局のキャスター・リポーター募集に応募して契約アナになるか、ほぼどちらかです。

多くの人は新卒の人が通うようなアナウンススクールの講座を受け、実践的な訓練を積んでからそういった道に進みます。初めは会社勤めと併行して休みの日にしゃべりの仕事をする人も多く、軌道に乗ってきたり、どうしても両立が難しくなってきたらしゃべの道一本という人が多い印象です。