埼玉西武先発・岸がノーヒットノーランの快挙達成!! 9回117球0被安打8奪三振1四球の内容だった。パ・リーグでは2012年10月8日のオリックス西以来、28回目のノーヒットノーラン達成となった!! 2014/5/2 千葉ロッテマリーンズ 対 埼玉西武ライオンズ
自身2度目のノーヒットノーランの実況になりました。
1回目はこの前年の中日 山井大介投手でした。
そのときはソフトバンクの中継をしているディレクターから
「ノーヒットノーラン実況したといっても 『ニコ生』 でしょ」
その通りです。ノーヒットノーランを実況したと胸を張って言えない部分が実はかなりありました。
「ネット中継だし。ひとりしゃべりだし」
今回は違いました。
解説は薮田安彦さん。
ただ ロッテのホームゲームだったこともあり、
本来は大記録達成が近づいていれば、9回の放送は岸、岸で押しまくるのでしょうが、
解説は薮田さんですし、ロッテファンにも気を遣いながらの放送をしていく必要があったため、
改めて9回の実況を聞いていても、ロッテがノーヒットを止める可能性についても言及しています。
一度 ノーヒットノーランの実況を経験しているからなのか、最後のファウルフライはかなり冷静に実況していました。
この回からファーストが森本選手から脇谷選手に代わっていたのですが、
実はこの試合では森本選手がファウルフライの捕球で危なっかしいプレイをしていて、
(落球してもノーヒットは継続しますが)場面が場面だけに落球はしてほしくないところでした。
実況している側としても、一塁にファウルフライが飛ぶたびに 一塁手=森本 という頭に9回はなっているところだったので、冷静でないと 思わず 「森本がかまえる」と口走ってもおかしくはありませんでした。
この時はボールが一塁ファールゾーンに上がって落ちてくる間に、心の中で「さっき森本はレフトへ回って一塁は脇谷が入っているよな」と再確認をしてから「脇谷がかまえる」と実況しました。正直 時間がとまっているくらい長く感じていました。
達成の瞬間は、よくある 「史上78人目89度目のノーヒットノーラン達成」とかいう実況で、称えたくないという気持ちは強かったです。
とはいえ満足できる実況でもありませんでした。
西武では渡辺久信さん以来ということをその瞬間の言葉に選んだのですが、そこからの現在までの間に 西口もいた、松坂もいた、涌井もいた、そういった球界を代表するエースでもなしえなかった記録だということをその時に言いたかったのです。
しばらくして落ち着いてからその話はしたのですが、あの達成の瞬間になぜ言えなかったのか、というところは少し悔いが残るところです。