記事から読み解く~アナウンサーの仕事


シリーズ化しそうなタイトルですが、そんな気はありません(笑)

ただ、こういう文章をアナウンサー志望者が見るのとプロの我々が見るのとでは、たぶん違うところに視点が行くのだろうなとふと思い、書いてみようと思いました。

ここで取り上げたのは、「アナウンサー泣かせの接戦とはこういうものか」ということを読んでもらいたいわけではありません。

アナウンサーを目指す人には、ここで出てくる実況アナの言葉から「仕事」について感じ取ってもらいたいです。

まずは記事をご覧ください。

競馬実況者が語る アナウンサー泣かせの接戦とは:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59335310Q0A520C2000000/

「回答には、実況を担当したからこそ感じた苦労、後悔、反省がつづられていた。同じ実況アナウンサーとして共感した部分も多かった。」と本文にもあるように、同業者から見ると、うんうんとうなずける点が多々あります。

どの実況アナも似た経験をしながら成長していきます。
以下に書くことは、各アナのコメントに対してのアドバイスではありません。
こういったことを経験した後、一般的にそこからアナウンサーはどう感じて次に生かしているかという目線で、アナウンサーを目指すあなたに解説します。

「ああ、これはミスが出る。撮り直しになるかも」と弱気になった。

そう思うときもよくあります。ただそれでも強気に実況しきらないといけない。経験を積むとこういうのはだんだん図太くなってきます。これはスタジオものでもそうですね。

「決めつけて実況したが、・・加えて最後はカンパニーまで来て、かなりテンパった実況になってしまった」

実況に決めつけはやはり良くありません。予想外になると、それがテンパる要因になってきます。これはインタヴューで相手が予想とはちがう答えを返してきたときにも似ていますね。

「名前をちゃんと実況できていたか、急に不安になった」

言わなければいけない一言を言っていなかったかも、と不安に陥ったりすることは、特に即時描写が必要な実況アナにはよくあることです。競馬の場合は着順に関わればなおさらです。不安でなくても、実際言い忘れてしまった、たとえば野球で守備位置が大きく変わっていたのに伝え忘れ、そこに打球が飛んであとから気付くなんて時には、「しまった」という思いになります。

必ず伝えておかないといけない言葉や情報が、アナウンサーにはあり、それを常に意識しているからこそ言えなかった後悔や、ちゃんと言ったかなという不安に陥ります。なのでそういう気持ちになることは悪いことではない、むしろ高いプロ意識だと思います。

みなさんがアナウンスの練習をするときも、ただまねごとをするのでなく、自分の感情のコントロールや聞き手を意識しながらやっていると、自然と「アナウンサーとはどんな仕事なのか」というのが分かってくると思います。そしてそれがわかるとエントリーシートの内容にも厚みが出てくると思いますよ。

(アナなるドットコム編集部)