指導に付け加える言葉

アナウンスクールでの指導や OB 訪問を受ける際に、よく最後に付け加える言葉です。 言い過ぎてしまったときのフォローにもなるし、月並みな問答を繰り返した後に本音を言 う際に「あくまで個人的な見解ですが・・・」と付け加えることもあります。
大変便利な言い回しではありますが、同時に、自分自身がいかに指導者として未熟であるかも考えてしま います。

明確な正解はありません

経験上、就職活動が本格化してくると次のような相談が相次いで寄せられます。

「エントリーシートが通らないんです!」

質問する側の立場からすれば、一番知りたいのは「どんなエントリーシートを書けば通るのか」ということでしょう。ただ、結論から言えば、この問いに対する明確な回答はないのです。そこで例の表現の出番となります。

「あくまで個人的な見解ですが・・・」と。

明らかに読みにくい文章だったり、聞かれていることに応えられていなかったりすれば、それを改善するよう促すことはできます。

例えば、字の書き方や読みやすさを提示したり、 無駄を省いて文字を減らしたり、アドバイスできることは色々あります。

ただし、言葉に窮するのは「内容」に関する助言を求められる場合です。
「このエピソードはインパクトに欠けるのでしょうか?」
「この話はあえて書かない方が心象は良いのでしょうか?」
「A 社を受ける時はこの内容で、B 社を受ける時にはこのパターンで・・・」

「あなた」の就活です

一つだけ心得てほしいことがあります。それは、就活をしているのは「あなた」だということです。私をはじめ、相談する相手の好みに合わせて、「あなた」を「他の誰か」にし てほしくないのです。

上記の質問に関して言えば、
「インパクトのない話題でも伝わるように話す技術」は求められます。
「あえて言わなくていいことを、あえて言うことで意味を成す事象」もあります。
「場面によって使い分ける話術も時には必要ですが、一貫性のある言動」は大切です。
それがアナウンサーという「言葉」を生業とした職業なのです。

経験談を述べたり、傾向や対策をアドバイスすることはできても、「必ず!」や「絶対に!」 を保証することはできません。
ある一人の感じ方、受け止め方が、他の人と同じであるとも限りません。
あえて言えば、突き詰めて考えた時間と自分自身で答えを出した過程こそが、何よりもの「自信」に繋がると信じています。

私達含め他者のアドバイスは、あくまで参考というスタンスで聞き、最後に判断するのはあなた。後悔しないためにも、そこは崩さず持っていて欲しいと思います。

文・アナウンススクール TBS Voice
http://www.tbs.co.jp/anatsu/school/

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