「ABEMA」西澤由夏アナ”超どん底”からの挑戦とはいうが・・・

カタール・ワールドカップ全試合を放送している「ABEMA」が注目を浴びている。「ABEMA」はサイバーエージェントとテレビ朝日の共同出資によるインターネットテレビだ。

「ABEMA」にも専属アナウンサーがいて、西澤由夏さんは、同局のアナウンサー“1期生”だ。小学2年生からアナウンサーになりたいと思い、大学時代は4つのアナウンススクールに通い、「ミス中央2013」にも輝き、さらに芸能事務所に所属して学生レポーターやイベント司会の仕事もするなど、いわゆる王道ともいえる道を歩んでいた。しかし、就職試験ではキー局はすべてのアナウンサー試験に落ちてしまった。

おそらくそこまでの実務経験と経歴があれば、地方局を受け続ければ、普通は新卒でどこかの局アナになっていてもおかしくはない。彼女がどこまで受験したかは定かではないが、キー局全落ち(どの段階で落ちたのかも不明だが)はどちらかというとよくある話でもある。

その後、彼女はメディア営業の仕事に就きながら、「ABEMA」のアナウンサー募集に応募して夢がかなったわけだが、この業界でよくある話としては、キー局しか受けない学生も一定数存在して、しかも最終試験に近いところまで行ったのにアナウンサーになれなかったという人がいるということ。

その人たちは簡単に言うと、地方局のアナウンサーには興味がないというタイプ(個々のライフスタイルなので全く否定はしない)だが、そういう人たちが再びフリーの事務所などでアナウンサーを目指した場合、相当な能力を発揮するケースは多い。

西澤アナの場合、キー局の試験がどの段階まで行けたのかはわからないが、学生時代にキー局の採用試験で、最終近くまで残った経験のある人は、その時点でアナウンサーの素質がそうとう高かった人で、決して「下剋上」ということはない。元TBSアナの笹川友里さんもそういった一人で、彼女は日本女子大卒業時にTBSとフジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京のアナウンス試験を受け、テレ朝以外は最終面接まで行ったものの不合格だった。

突然意外なところからアナウンサーに転身する人もいるので、私もなれるかもと錯覚しがちだが、その経歴をたどると実は過去にさまざまな実績を持っている人だったということはよくある話だ。

アナウンサーになりたい――。小学2年生から3年生への進級時に書いた文集で、西澤アナはすでにそう記していた。当時、見ていたのは「めざましテレビ」(フジテレビ)を担当していた元・フジテレビアナウンサーの高&