糸井重里さん、NHKの震災特集に苦言
コピーライターの糸井重里さん(67)が3月11日、NHK総合テレビ「特集 明日へ」に生出演した際に、番組の演出について「こういう撮り方にはならないんじゃないか」などと述べ、被災地報道のありかたに疑問を呈した。
「明日へ」は2012年から続いている特集番組。3月11日を含む複数日にわたり、被災地の声や応援メッセージを生放送で紹介している。2016年は東日本大震災から5年目。糸井さんが指摘したのは、午後10時台の企画の時だった。
企画は冒頭、青森県や岩手県の津波被災地の現在の様子を、マイナー調のピアノのメロディーなどとともに紹介。伊東敏恵アナウンサーが「岩手県洋野町では、ウニの子供“稚ウニ”の栽培施設が全壊。600万個が流出しました。その栽培施設は、いち早く復旧。ウニの漁獲量も震災前の8割程度まで回復しています」などとナレーションした。
コメントを求められた糸井さんは、「変なことを言うようだけど、この音楽で、8割が復興したという話をされても、2割の悲しみしか伝わってこない。悪いけど、こういう撮り方は、地元の人はやめてくれと言っている。ナレーションにしても、(暗いトーンではなく)普通に言えることがあると思う」と、演出に苦言を呈した。
番組に出演していた伊藤アナが、自身がナレーションを担当したことを明かすと、