地方局といっても局によりけり

アナウンサー志望者のほとんどは、アナウンサーをメインでやりたいはずです。しかし募集要項ではアナウンサー募集と書かれていも、、アナウンサーの業務に専念できる局は決して多くはありません。

地方局のアナウンサーは、その働き方で主に3種類に分けられます。

①アナウンサーの仕事に専念できるアナウンサー

当たり前に見えて、決してそういった働き方ができる地方局は多くはありません。地方基幹局は概ねアナウンサーの仕事に専念できます。それ以外の地域でも、ある程度の規模の局の場合はそういった働き方が可能です。見分け方としては、アナウンサーが多い局やアナウンス部が部署として独立している局などがそうです。

②記者を兼任するアナウンサー
報道部に所属して記者の仕事も兼任する局があります。自社制作番組が少ない局の場合によく見られます。レギュラー番組を担当すると、その記者業務から外れるケースもありますが、兼務の場合、アナウンサー業務はかなり減ります。またFBS福岡放送のように入社後2年くらいアナウンサーの成長のためとしてあえて記者を経験させている局もあります。

③記者+編集+ディレクターも兼任のアナウンサー
多くはありませんが、このような局もあります。記者として取材・原稿を作成。戻って自ら映像編集もするというものです。アナウンサーの仕事は1〜2割程度でしょうか。

このように、地方局の場合、局によってアナウンス業務の割合は大きく異なります。地方局アナ受験の際には、会社研究の一環として、アナウンサーの仕事の割合はどれくらいか気になる方は調べておいた方がいいかもしれません。心づもりとしては、記者や編集の仕事「7」に対し、アナウンサーの仕事は「3」ぐらいと考えておけば、入社したあと「こんなはずじゃなかったのに・・・」と思うことも少ないでしょう。

地方局の企業研究は番組を知ること

地方局を受ける際に、エントリーシートや面接で触れてはいけないことがあります。それは、受験する放送局で絶対にありえない仕事や番組を書いたり言ったりすること。

極端に言えば、テレビ単営局なのにラジオのDJをやりたいとか。高校野球の系列の局(テレ朝)なのに高校サッカー(日テレ系)の中継をしたいですとか。サッカーの実況をしたいといいながら、その局では少年サッカーの中継すらやっていなかったりとか。

もちろん入社後、新たな番組が立ち上がり、あなたのアピールが実を結んで任されることもありますが、それはあくまで入社後の話です。現段階で、そのようなことをESに書いたり、面接で話したりすると、「うちの局がどんな番組をやっているか知っているの?」という話しになってしまいます。

アナウンサー就活における「企業研究」 は、その局の自社制作番組を特番も含めて知っておくことです。面接で墓穴を掘らないためにもインターネットなとで、その局の番組を調べたり、地域の知り合いに聞いてチェックをしておきましょう!

一般企業の就活では、企業情報も調べたりもしますが、放送局受験では細かい事業規模データなどは意味ありません。あえて言うならどこに支局(海外など)があるかを知っておく程度でいいでしょう。それよりどんな番組が自社制作されているかを知っておくことが重要です。

できればその局のアナウンサーの顔も覚えておくと、面接の時に心の余裕が生まれます。

地元出身でないなら感じたままをアピール

自分が生まれ育った地域の放送局を受ける場合は、とにかくその局への思い入れやずっと見てきた感想などとともに、志望理由をアピールしていきましょう。

しかしアナウンサーという仕事の特性上、縁もゆかりもない地域を受験する方も多いでしょう。

基本的に放送局側も、「アナウンサー志望だから、自局に入りたくて受けているのではなく、アナウンサーになりたくて受けに来ている」ということはわかっています。ですから、ことさらその地域と自分を結び付ける必要はなく、アナウンサーという仕事に対する熱意をアピールできればいいと思います。

ただその地域の全国レベルで話題になっているような出来事(スポーツや事件・政治)、名物、観光名所、お祭りなどは、常識として知っておきたいところです。また、その土地の話を単に「情報」としてではなく、「自ら見て聞いて感じたこと」として、面接やフリートークで話すのは非常に効果的だと思います。一番やってはいけないことは、「知ったかぶり」をすることです。

昔から地方局を受ける時は、タクシーの運転手から情報を仕入ておこうとか、前日に現地に入り地元の名物を食べておこうなどということがよく言われます。ただこれは古くから多くの人がやっていることなので、もっと違った視点から自分の足で稼いだ情報を集めておくと、面接官のあなたに対する印象も一段と良くなるかもしれません。