放課後の嬉しい出来事
放課後の嬉しい出来事
先日、スクールの卒業生が、「お世話になった先生方に、『アナウンサー』の肩書きが入った名刺を、是非手渡したい。」と、挨拶に来てくれました。
アナウンススクールには「卒業式」がないため、講師の私たちが思っているほど生徒の皆さんに「卒業生」という意識はないようで、社会人となってから挨拶に来てくれることは、それほど多くありません。(ちょっと寂しいことですが…)それだけに、わざわざ来てくれるのはとても嬉しいものです。
身体が覚えている?!
思い出話は尽きず、たまたま授業の際の練習文(→「お綾や、親にお謝り…」など)の話題になった時のこと。こちらが出だしの部分をちょっと言うと、その卒業生は、「懐かしい~!」と言って、テキストを見ず、空でスラスラ続けます。そんな言葉遊びのようなやり取りを数回繰り返しました。聞けば、今は全然違う練習文で研修しているそうですが、「ホント久しぶりですけど、身体が覚えているものですね。」と笑顔で言っていました。 講師が、「練習しなさい」と言っても、どれだけやるかは本人次第。2年経ってもスラスラと言えるほど覚え込ませたのは本人の努力です。
やるのは自分。
わざわざアナウンススクールに通っても、全員がアナウンサーになれるわけでは、残念ながらありません。でも、「意識を高く持っている生徒」には、それなりの成果が付いてきているように感じます。「意識を高く持つ」とは・・・? 別に難しいことではありません。私たち講師に言われなくても、「自分でどれだけ積み上げられるか?」が大切なのです。
「近所の迷惑になるから…」と、授業に来た時だけ大きな声を出す人もいれば、教室に自主練習に来て、授業以外でも大きな声を出す人もいます。冒頭の卒業生も、スクールに通っていた時は、財布から割引クーポンを出して、「カラオケBOXで大声出しています!」とよく言っていました。
「そんなことを言われても、大学の授業やアルバイトがあるから無理です。」という意見もあるでしょう。しかし、例えば、「授業が始まる前に自主的に発声練習をする。」、「自分の番が来るまでの間、声は出さないまでもしっかり口を動かす。」、「他の生徒が講師からどんなことを言われるか。自分にも当てはまることはないか、しっかり聞く。」 これらのことを自分からするだけで意識は変わってきます。
私たちは、あくまで皆さんのお手伝いをするだけ。実際にやるのは自分自身だということを思い直し、「授業に向かう姿勢」から、意識を変えて欲しいです。
文・TBS Voice
http://www.tbs.co.jp/anatsu/school/