具体的な文章って何?

TBSアナウンススクール

エントリーシートのスペースは広くない

アナウンサー志望の皆さん、こんにちは。

アナウンサー試験がいよいよ本格的にスタートしましたね。TBSアナウンススクールでは、連日エントリーシート対策で相談に来る学生さんが増えてきました。

エントリーシート対策と一言で言っても、自己PRはどうするのか、志望理由はどうするのか、写真はどんなものが良いか・・・相談も様々です。

先日受けた相談に「具体性のある文章ってどうやって書くのですか?」というものがありました。話を聞いてみると、その学生さんは何度も何度も「具体性がない」と周囲に言われ、「エントリーシートのように小さいスペースに、どうしたら具体的な文章が書けるのか」と悩んでいるとのことでした。

エントリーシートを記入する上で、「自分はどんな人なのかという事を読み手に「わかりやすく簡潔に書く」という事が大切です。

そして「具体的に書く」という事は、わかりやすく書くという中で大事な要素の1つとなってきます。

部活動を頑張った話なら…

例えば、「学生の頃に部活動を必死に頑張った結果、大会で優勝できました」というエピソードを書く場合、皆さんは「どこをどのように」具体的に書きますか?

「どんな部活動なのか」「何をどう頑張ったのか」「どんな大会なのか」「どうやって優勝したのか」、全てを具体的に書こうとすると、とてつもなく長い文章になりそうです。これでは、エントリーシートの小さな枠にはおさまりそうにもありません。どの部分を具体的に書くのか、優先順位を決める必要がありそうですね。

そこで皆さんに考えていただきたいのは・・・エントリーシートを読む人は「何を知りたいのだろう」という事です。

採用する人はエントリーシートを通して、「あなたはどんな人ですか?」という事が知りたい事は間違いないでしょう。

先ほどの例に戻ってみましょう。「どんな部活動なのか」という部分を具体的に書くと、その部活にどれぐらいの人数がいて、どんなメンバーがいて、どんな名前がついていて、全国レベルでどのくらいの位置にいるのか、という話になってくると思います。

しかしこれでは、自分の話というよりは状況説明を詳しくしたことになります。

「あなたはどんな人ですか?」という視点で考えた時に、あなた自身の情報は少ない印象ですよね。

読み手が一番知りたいこと

では、「何をどう頑張ったのか」の部分を具体的に書いてみるとどうか。

どんな練習を自分がどんな気持ちでこなし、どんな事を考えながら大会に挑んだのかという話になり、自分の話をより具体的に伝えている印象になると思いませんか?

結果として、「あなたはどんな人ですか?」にしっかりと答えられていると思います。

エントリーシートで自分の事をわかりやすく書いてほしいと言われると、ついつい様々なものを丁寧に具体的に書きすぎてしまい、文章が長く字が小さい読みにくいシートが出来上がってしまうことがよくあります。

是非皆さんに考えてほしいのは、読み手は何が知りたいのかです。

読み手が知りたいのは「あなたはどんな人なのか」です。そうすると、自分が書く文章のどの部分をしっかりと丁寧に説明する必要があるのか、見えてくるのではないでしょうか。

文・TBSアナウンススクール
http://www.tbsan.jp