採用試験で 海外話は珍しくない

さあ旅に出てみましょう!

みなさん夏休みどこかへ出かけましたか?田舎へ帰ったという人もいますよね。 中には海外短期留学した人もいるでしょうか。
今回は 旅の経験 についてお話しします。

海外旅行は強みになる?

自己PRや面接で海外経験を自分の強みとして話す学生さんは本当に多いです。

子供の頃海外で暮らしました 1年間留学しました というものから
一週間バックパックで行ってきました

というものまで様々です。

ただ、多くの学生にとって面接でその経験がきちんと伝わっているかというと
ちょっとクエッションマークです。

せっかくいい経験をしているのに もったいないなぁ
と感じることがほとんどです。

もちろん見聞を広めるために海外へ行ってみる、何かを学びに行ってみる
というのはみなさんにとって必ずプラスになることは間違いありませが

採用試験で 海外話は珍しくない といことは頭に入れておいてください。
特にマスコミの採用試験では質疑応答の中で、その国の国際情勢 時事的なことも理解しているか?突っ込まれたりもします。
そこまでしっかり対策することも必要です。

何よりアナウンサー採用試験で重要なことは

どんな場所で どんな人と出会って どんなことが得られたか
その若い感性で生き生きとみずみずしくしかも具体的に話せるかが大事です。
ただ行っただけでは強みになりません。

何の目的でその場所を選んだのかをしっかり話せるかも重要です。
あまりに危ない場所に一人で行きました なんていう話もよく聞きますが、
採用試験では武勇伝というよりは 無鉄砲と受け取られたりします

英語を学ぶために海外留学をする。とてもいいことですね。
私も機会があれば行ってみたかったと思います。

よく英語ができることがアナウンサー試験にプラスになりますか?という質問をうけます。
その答えは 英語が喋れることだけでプラスにはならない です。
甲子園に出たことがある というだけでプラスにはならない と同じです。

それよりも もっと日本を知りましょう

それはもちろん様々な日本語、日本文化、風土を体感すること。
そこにはみなさんが初めて聞く地名 草花 祭り しきたり 食べ物と出会えるはずです。

そしてそれがアナウンサーになったなら必ず役に立つのです。

日本の放送局のアナウンサーはまず 日本を知ることが求められている、ということを忘れないでください。

先日 京都の 祇園祭 花傘巡行(ハナガサジュンコウ) が読めなかったという事例がありました。
八幡と書いて『やはた』『やわた』『はちまん』と地方によって読み方が変わったり、地名は本当に難しいものです。

ことわざにも 江戸の敵は長崎で討つ 日光を見ずして結構というなかれ、
清水の舞台から飛び降りる 牛にひかれて善光寺参り などなど、
最近のニュースでも 胆振 富田林 熊本宇城 など原稿の中で頻繁に出てくる難読の地名もあります。

海外を知る知りたいという気持ちも大事ですし、行ってみたいですよね。
私自身、大学3年の時に行ったヨーロッパ旅行の経験が今の仕事につながっているのも事実です。
海外に行くにせよ 日本を旅する にせよ、学生の皆さん 今しかできない経験をしてください 必ず将来の役に立つはずです。

文・TBS Voice
http://www.tbs.co.jp/anatsu/school/