自分の感情を描写する

伝える力

アナウンサー試験では、あたりまえのことですが、その人の話す力、伝える力が問われます。
人が話すときの「伝える力」とはどんなものでしょう?
・聞きやすく印象に残る声、声の大きさ
・明確な発音
・表現力豊かな口調、表情
・描写力、説明力
・相手(年配者、幼年者)に合わせた言葉選び
など、様々な要素がありますが、
今回は、描写力、中でも感情の描写についてお話しましょう。

描写力

描写と聞くと、情景の描写、物の形の描写を思い浮かべる人が多いでしょう。
もちろんそれもアナウンススキルの重要なパートです。
アナウンサー試験では、「この写真に写っている物、景色を、写真を見ていない人にもわかるように描写してください」という課題が出ることもあります。
「説明力」も、これに近いですね。ある起こった出来事を、簡潔に、相手が一回聞いただけで分かるように話すことができるか。

さて、人が人に何かを伝えるとき、もう一つとても重要なものがあります。
これ、実は皆さん、無意識に普段の会話でやっています。
それは、自分がどう感じたかを交えて話す、ということです。

説得力が増す

例えば、あるお店で食べた○○がメチャクチャ美味しかったので、その○○を友達にも勧める、というシチュエーションを想像してみてください。

「その○○はこんな味で、温かくて(冷たくて)、舌触り、噛み応えがこうで」という説明、描写もするかもしれませんが、それよりも、
「もう最高!幸せ!」とか「この世にこんな美味しいものがあるなんて!」とか「絶対やみつきになる!」とか「頬っぺたが落ちるってこのこと!」とか「疲れが一気に吹っ飛んだ!」「涙が出た」とか「これ食べたらもう他の店の○○は食べられない!」とか「もう毎日頭から離れない」とか・・・こういう類のことを言いませんか?

聞いている方も、その○○の商品説明を詳しく聞くよりも、話し手のあなたがどれだけ感動したか、ということに心を動かされて、じゃあ今度私も! となるのだと思います。
その○○の素晴らしさは、あなたの主観の言葉・感情描写が伴うと、説得力が何倍にもなって相手に伝わる、ということなんです。
これは、いろいろなプレゼンテーションにも通じる話ですね。

面接で「伝える」ために

就活の面接などで、自分についての話、経験談をするときも、実は同じことです。

「美味しい」について、上にあげたような様々な言い方・伝え方ができるように、
これまでの人生の「喜び」「悲しみ」「失意」「困惑」「充実感」「達成感」「感動」
なども、その時の(その後の)あなたの感情描写を具体的にしてあげると、説得力をもって面接員に伝わります。
何かを成し遂げた話をするなら、事実経過だけでなく、どんな達成感だったかを加えて話す。
また、単に「とても感動しました」だけでは伝わらないし、印象に残らない。どんな感動だったのか、その度合いは、ということを表現、描写する言葉を探してみてください。

放送では毎日、様々なトーク番組で、芸人、タレントなど「話術の達人」が自分の経験談を披露しています(もちろんアナウンサーも)。どんな言い方をしているか意識して聞くととても勉強になります。

また、日々の生活で、何か心を大きく揺さぶられる出来事に出会ったとき、
ぜひ、その時の自分の感情を言葉で描写する、ということをやってみましょう。
それを書き留めておいたりすると、きっとどこかで役に立ちますよ。

文・アナウンススクール TBS Voice
http://www.tbs.co.jp/anatsu/school/


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