面接官はどこを見ている?
フリーに転身する前は、仙台のテレビ局で5年間局アナを務めていました。
その中で最も貴重な経験となったのが、採用試験の面接官です。
楽しくも苦しい就活を知っているからこそ、夢と希望に満ち溢れた就活生を面接することにいつもプレッシャーを感じていました。そうなんです、面接する側も緊張しています(笑)
今回は、アナウンサー採用試験の際に私が面接官としてどこに注目していたか、お話していきます。
宮城県出身。2013年に東日本放送にアナウンサーとして入社。報道から情報番組、スポーツ、深夜バラエティまで幅広く経験。5年勤めた後、ホリプロに所属。
現在は、日本テレビ系列「ZIP!」のレギュラーリポーターを務めている。宮崎瑠依と森遥香によるアナウンス講座、生徒募集中です!! 詳しくはこちら>>
面接官はどこを見ている?
①入退室の様子
前回のコラムでも書きましたが、「第一印象は5秒で決まる」とよく言われます。これは大袈裟ではなくて、本当にそうなんです。
例えば、ドアをノックしてから「失礼します」の声のトーン。それから、入ってきたドアを両手で閉めるか否か。ここまで約5秒。
実は、この一連の所作で、良くも悪くも普段の様子は伝わってしまうものです。ドアが閉め切る前にその場を離れてバーンなどと大きな音がしようものなら、雑な性格、乱暴な性格、とマイナスな印象を与えかねません。実際に、入退室の様子が美しい学生の方は、話してみてもやはり好印象の事が多いです。
とは言うものの、正直、私も採用試験を受けるまでは、開けたドアを両手で閉めてからその場を離れる、なんて出来ていませんでした。大学など普段の生活の中で強制する日々でした。
アナウンサー試験に限らず、社会人として、大人の女性として、身に付けておいて良かったです。
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②目線
目は口ほどに物を言う。まさに、目線は大事です。
人間誰しも自信がないと、目線は下を向きがちです。かく言う私もそうです。ですが、そこをグッと堪えましょう。そして、面接官が複数人いても、それぞれに話しかけるつもりで目線を配りましょう。
これはお仕事で司会をする際も同じです。大勢の方がいるのに、一人の方ばかり向いて話してしまうと、他の方は疎外感を感じますよね。試験の合否は面接官一人の意見ではなく、総意で決まりますので、その場にいる面接官全員にしっかり話を伝えましょう。
③予想外の事への対応力
面接で想定外の事を聞かれた時、または想定外の試験内容だった時、あなたはどんな表情をしますか?
それまでは明るく自信たっぷりだった学生が、アドリブを求めると、急に元気がなくなり表情が固くなってしまうのをよく目にします。[pc]
[/pc]大事なことは、マイナスに動揺しないこと。落ち着いて、自分らしさを失わないでください。取り乱すぐらいだったら、「もう一度お願いします」と聞いたって構いません。
ちなみに私が学生時代に受けた試験の一つに、「大きな箱の中にあるものを食リポしてください」というものがありました。さぞかし変わった食べ物が入ってるのだろうと思いきや、中に入っていたのは小さな小さなただの茹で卵。
どうやっても「え?!」という驚きは隠せなかったので、「ご馳走かゲテモノかと思っていたのでまさかです!」と正直にリアクションしました。結果は通過。
当時何が正解だったのかは分かりませんが、試験官側も学生の素直なリアクションが見たいというのは確かです。予想外の出来事と出会った瞬間に、その人らしさ、その人の「素」が見えるからです。
④活き活きと話せるか
人間誰しも、好きなことを話している瞬間が、最も活き活きと見えると思うのです。
面接官をしていると、「きっとこれは毎回同じ事を話しているな」「十八番なんだな」「暗記してきているな」という学生と多く遭遇します。よっぽど話し方が上手い人ではない限り、何度も擦られた話に魅力を感じません。
そういう学生には、あえて特技や趣味の話を振っていました。そうすると、まるで人が変わったように、目を輝かせて話してくれるのです。そうなんだよ、この表情が見たいんだよ!
考え抜かれた自己紹介でも、ぜひキラキラとした表情で話してもらいたいです。
以上が、私が面接官をしていた際に、重要視していたポイントの一部です。まだまだ本当はありますが、あくまでどこに注目するかは人による、ということを覚えておいてください。(だから面接官は大体複数人なのです)
面接官も一人の人間です。決して、学生の皆さんの敵ではないので、怖がらないでください。出来る限り、あなたの良い所を探そうとこちらも努力しています。
面接を楽しむ姿勢、一期一会のご縁を大切に臨んでもらえたら幸いです。