やっちゃダメ!伝わらない自己PR
フリーに転身する前は、仙台のテレビ局で5年間局アナを務めていました。採用試験の面接官を担当したこともあります。
アナウンサー試験のみならず、採用試験では自分自身をアピールする「自己PR」がつきものです。
自分自身の就活、それから試験官を担当して、「この自己PRは勿体ないなぁ」と感じた例をお話ししたいと思います。
宮城県出身。2013年に東日本放送にアナウンサーとして入社。報道から情報番組、スポーツ、深夜バラエティまで幅広く経験。5年勤めた後、ホリプロに所属。
現在は、日本テレビ系列「ZIP!」のレギュラーリポーターを務めている。宮崎瑠依と森遥香によるアナウンス講座、生徒募集中です!! 詳しくはこちら>>
やっちゃダメ!伝わらない自己PR
①中身が経験しかない
限られた時間の中でストーリーを語るのは大変だとは思いますが、経験や事実に対して感じたことや学んだことなどまで話してもらえないと、その人自身が見えてきません。
例えば、「サークルの代表として、こんな困難があったけど、仲間を鼓舞して乗り越えました。私はこのリーダーシップを御社で活かしていきたいと思います」というPRがあるとします。しかしこれだけだと、その経験を通して何を学んだのか、何を感じたのか、イマイチ分かりません。
正直、自己PRのエピソード自体は、誰かしらと被る可能性が高いと思ってください。自分らしさを出すとしたら、「感情」だと思います。話の中に感情や考えが見えると、似たエピソードでも試験官の共感を呼んだり、記憶に残ったりします。
②学生ノリのエピソード
これはそもそも話す内容の選択ミス、もしくは話し方のミスというケースです。
過去に、「サークルの渉外を担当して、Facebookの友達が2000人出来ました!」という自己PRがありました。きっと社交性が高いことをアピールしたかったのでしょうが、それに対して「そ、そうなんだ…」という感想しか持てませんでした。
まず、SNSで繋がっている、という話がいかにも若者らしいですが、社会人には響きません。それよりも「居酒屋で仲良くなったマタギのおじさんと先日猪狩りに行きました」というエピソードの方が説得力があります。(これは私の友人の自己PRでした)
渉外で頑張った話をしたいのであれば、社会人にも共感して理解してもらえそうな、過程を話すべきです。
③毎回同じエピソード
これは初歩的な話ですが、受けるテレビ局や会社によって内容を変えない場合です。
例えば、野球の仕事がしたくて野球好きの自己PRをするとします。しかし、その局にスポーツ番組や野球中継が全くなければ、意味がないですよね。相手にどうやったら必要とされるのか、しっかり準備して考えて臨みましょう。
以上を踏まえて、自分の自己PRは大丈夫かなと、今一度考えてもらえたら嬉しいです。
アナウンサー試験は、夢を叶えるための一歩です。ぜひ、ワクワクする気持ちを忘れないでください。皆さんの合格、ご活躍を心から応援しています!