「緊張」とうまく付き合うには
私が所属するホリプロ アナウンス室では現在、このアナウンサーメモの連載を担当している私と森遥香さんが講師を務めるオンラインワークショップを開催しています。ワークショップ参加者の事前アンケートに目を通すと、「緊張しないために何をしていますか?」「緊張したときどうしていますか?」といった質問がたくさん寄せられています。
「緊張」というのは、非常に厄介なものです。就職活動において緊張はついて回るでしょう。ましてやアナウンサーという仕事においては一生ついて回るものと言えます。「緊張」を恐れずうまく付き合うことができたら理想ですよね。今回はこの「緊張」について考えましょう。
東京都出身。日本テレビ系列「スッキリ」や「ZIP!」などの情報番組のリポーター経験
もさることながら、「野球好きニュース」「Jリーグタイム」などのスポーツ番組のキャスター経験も豊富で、毎年、プロ野球の各賞を発表するNPB AWARDSではMCを務める。
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「緊張」とうまく付き合うには
緊張を受け入れて対処する
大事な場面では誰だって緊張します。一流と言われる俳優さんや歌手の人だって大舞台では緊張すると言うのですから、緊張することはなにも問題ではありません。あまりにも緊張し過ぎて、がちがちになってしまったり、震えてしまったり・・・極度の緊張が原因で本来の力が発揮できないことが問題なのです。
つまり緊張し過ぎず、程よい緊張感で大事な場面に臨むことが肝要です。
ワークショップで受講生の話を聞いていても、緊張しているとき「緊張しちゃダメだ!!」と“緊張しないようにどうにかしよう”と考える人が多いように思います。その状況を否定せず、あえて緊張している自分を素直に受け止めてみましょう。そうすることで慌てず冷静に対処できます。
対処法としてまず最初に、緊張すると呼吸が浅くなってしまうので、呼吸を整えることからやってみましょう。呼吸が整うと精神的に落ち着くと言われています。緊張しているなと感じたら、まずは深呼吸を。息を吸うよりも吐くことに意識をして、ゆっくり大きく深呼吸します。呼吸が整うと、気持ちも落ち着くものです。
緊張したときどうなる?
私は緊張すると普段よりも声が少し高くなり、瞬きが増えます。
緊張すると震えてしまう人、声が小さくなる人、早口になる人・・・緊張にも人それぞれ色んな“症状”があるものです。
緊張したとき自分がどうなるか分かりますか?それが分かれば、「声が小さくならないようにしよう」とか「早口にならないようにゆっくり話すようにしよう」というように気をつけることができます。自分の緊張時の症状を自覚することも大切です。
リハーサルをしてみよう
そもそもなぜ緊張するのかと考えたとき、不安な気持ちが緊張をより一層促すように思います。緊張し過ぎないためにはできるだけ不安を取り除いてみることも重要です。一つの方法として、私はリハーサルをお勧めします。
番組の収録や舞台などでも本番前にリハーサルを行いますよね。就職活動の面接などでもリハーサルをしてみると良いかもしれません。
リハーサルとは単なる練習とは異なります。例えば歌番組のリハーサルでは、歌手の皆さんは本番の衣装を着て、本番と同じ動きで、もちろん手抜きなどせず本番と同じように歌います。つまりリハーサルは“本番のつもりで行う”ことが大事なのです。
面接に行くときの服装や髪型で、面接という“本番”を想定し、目線、声のボリューム、話すスピードなど細かいところもしっかり意識してリハーサルをしてみましょう。今はスマートホンで簡単に録画をして、すぐにチェックすることもできます。自分の部屋でもリハーサルはできるのです。“リハーサルでできなかったことは本番ではできない”と思って、リハーサルから手を抜かずにやってみましょう。きっとしっかりリハーサルができれば本番でも上手くいくという自信が身につきますよ。
自信をもって臨むように準備することで、おのずと程よい緊張感につながり、本来の力が出せるはずです。