聞き上手は話し上手
アナウンサーは、当然のことながら話す能力が求められます。そのため、アナウンサーを目指している皆さんは、原稿読みの練習をしたり、表現力、語彙力を身に付けようと様々な努力をしていますよね。
アナウンサーという仕事は、いかに上手に話すかということに目がいきがちですが、実は、いかに聞くかということも大切です。今回は、“聞く力”に着目し、 聞き上手を目指してみましょう。
東京都出身。日本テレビ系列「スッキリ」や「ZIP!」などの情報番組のリポーター経験
もさることながら、「野球好きニュース」「Jリーグタイム」などのスポーツ番組のキャスター経験も豊富で、毎年、プロ野球の各賞を発表するNPB AWARDSではMCを務める。
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話すことばかりに気を取られない
アナウンサー志望の人のほとんどが、人と話すことが好きであり、コミュニケーション能力には自信があると思います。
しかし、ホリプロ アナウンス室主催のワークショップで受講者の皆さんをみていると、話すことが得意だと思っている人の中にも“話し始めると止まらない”“何を言いたいのか要点が伝わらない”といった印象を受ける人が少なくありません。
他にも「表現力が足りないせいか相手に上手く伝わらない。」「話が続かない。」など、アナウンサーになりたいけれど、決して話すのが得意とは言えないという悩みもよく聞きます。
どちらにも共通して言えることは、“話すことばかりに気を取られている”ということです。コミュニケーションは、双方向。話すことと聞くことどちらも同じように重要で、人の話を聞くことで自分の話が膨らんだりするものです。会話のキャッチボールは、一方的に話していては成立しません。
私がリポーターを務める朝の情報番組「ZIP!」においても、リポートするために“聞くこと”に力を注いでいます。ディレクターさんから趣旨を“聞く”。取材にご協力いただく一般の方の本音を“聞く”。テレビを観ている人が知りたいことを想像しながら情報の勘所を“聞く”。このようにリポーターという仕事でも、上手く“話すこと”と同じくらい“聞くこと”を重視し、その上でリポートが成立していると言えます。
日常のコミュニケーションから聞く力を養いましょう。
話すことが好きな人の傾向として、“相手の話を聞いているつもりが「分かる!分かる!私もね、、、」と、いつの間にか自分が話し出している”ということがよくあります。
そんな人は話したい気持ちをぐっと堪えて最後まで聞くように心がけましょう。相手の伝えたいことを受け止めるためには、自分が発言する機会を減らすと効果的です。
また、ちゃんと聴いているという姿勢を見せると話す人のモチベーションをぐっと上げます。「へえ」「なるほど」など声でリアクションすると相手は話しやすくなるものです。こういった相槌やうなづきは、話し手が“ちゃんと興味をもって聴いてくれている”“共感してくれている。”と受け取り、安心して話すことができます。
「えぇ!」「そんなことが」「面白い!」など自然な感想を表現すれば、会話がより一層弾むはずでしょう。
話の上手い下手に関わらず、他人の話を聞きたい人よりも自分の話をしたい人の方が圧倒的に多いものです。どんな無口な人でも自分の得意分野の話題になると饒舌に語り始めたりしますよね。話を切り出すのが苦手だから無口に見えているだけということもあります。
人は、話を聴いてくれる人に親しみが湧き、好意を抱きます。そうすると自然と信頼関係が生まれやすくなります。聞く力が備われば自身のコミュニケーション能力は格段にアップします。聞くことと話すことは表裏一体。
話し上手を目指すなら、聞き上手になってみるのも良いと思いますよ。
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